何を付けてもそれなりに動くけれど、動作要求を満たすかどうかはまた別
そんな 電磁弁 ですが、電気屋からするとやる事は一つ
ONするだけ
なのですが、その電磁弁が選定された理由というものが何かしらあるはずですね。
電気屋寄りの視点から、電磁弁を一緒に見て行きましょう。
どうも!ずぶ です。今回は 電磁弁の種類と使い方 ( 配線編 )
他のリポートもご覧下さい
電磁弁の種類と使い方(仕組み編)
電磁弁の種類と使い方(ポート編)
ONする為の準備
動かす為には、電源電圧を合わせるのは当然ですが
それとは別に、いくつか注意すべき点があるのでしたね。
主だった所では、
消費電力
使用頻度
当たり前の事ですが、案外チョンボする時があるのです。
この2点に注意しながら、実際の選定を想定して考えてみましょう。
消費電力を確認しよう
今回選定されたのは
SMC さんの 直動式2ポートソレノイドバルブ シリーズ
言わずと知れた、空圧機器世界最大手ですね。
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/電磁弁カタログ1-2.png)
サイズ1で 消費電力4.5w とあります。
対して、制御は ビルディングタイプ の QY40P
画像は省いて、性能表です。
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/qy40p1.png)
どうでしょう?
最大負荷電流、0.1A/1点 とあります。
残念ながら、ダイレクトドライブ は出来そうにないですね。
当然リレーで受けての駆動となります。
使用するリレーは オムロン さんの MY2N でどうでしょう?
画像は省いて、性能表です。
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/リレー3.png)
電磁弁の中身は、もちろん ソレノイド
という事は、誘導負荷 を見れば良いので、開閉能力は2A
選定された電磁弁は、余裕をもって開閉できますね。
使用頻度を確認しよう
機械の構成が決まったら、どの位の頻度で弁を開閉させるかが見えてきます。
視点をそちらに移動させてみましょう。
先程の MY2N の定格/性能をさらに見てみると、
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/リレー性能4.png)
性能の 耐久性 の欄に、機械的、電気的 回数が書いてありますね。
機械的 ってのは、
無負荷でリレーを カチカチさせるだけなら、 1億回 耐えられるよ。
電気的 ってのは、
負荷がぶら下がって、通電させるのなら、50万回 耐えられるよ。
って意味でしたね。
(古い装置のリレーケースが黒ずんでいるのを見た事がありませんか?あれは接点がアークで蒸発したススです)
そういう意味での、電気的耐久性となります。
もちろん電磁弁を通電させるのですから、電気的耐久性 で勘定しなくてはなりませんよね。
50万回というのは、
1時間 に1回の開閉だと、およそ 60年
10分間 に1回の開閉だと、およそ 10年
1分間 に1回の開閉だと、およそ 1年
という事は、1分間に1円貯金すると、1年で50万円も貯まるって事ですね!
まぁ、それが大変なのですけど(笑)
開閉頻度が多い場合、もう少し頑丈な G7T はどうでしょう?
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/g7t5.png)
こんなの
5A開閉可で、電気的寿命は100万回 です。
ですが、
50万回で問題が生じた以上、同じ仕組みのリレーでは正直似たり寄ったりです。
有接点で寿命が心配な場合は、無接点リレー の出番ですね。
G3R なんてどうでしょう?
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/G3R7.png)
こんなの
もはや、寿命が書いていませんよ。
壊れるまで動いてくれます (笑)
(メーカーさんは、耐久回数では無く 10年 と想定しています)
ちなみに、VX21 の性能表には、30万回でバルブ交換 とありますので、リレーの寿命よりもバルブの寿命の方が早そうです。
電磁弁の注意点
今さらですが、電磁弁 って何でしたっけね?
もちろん、電磁力で動かす弁 な訳ですが、
ソレノイドを駆動させて、弁を開閉する。
別名、ソレノイドバルブ とも呼ばれています。
ソレノイドは 誘導負荷。
つまり、電磁弁OFF した時に 逆起電流 が流れるのですね。
入力ユニットの取説にも記載があります。
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/逆起8.png)
さて、誘導負荷にこの回路を組んでいない場合どうなるでしょうか?
リレーなら 火花 を散らし、SSRなら 素子が破壊 されます。
つまり、先ほど電気的寿命が低下する訳です。
目で見て分かる火花を散らす場合、選定したリレーだと、1週間も持ちません。(開閉頻度によります)
とはいえ、数ある負荷にいちいち回路を組むのも大変です。
どうすれば良いのでしょう?
答えは簡単です。
VX21カタログ
![](https://zubu.jp/wp-content/uploads/2019/10/電磁弁サージ9.png)
保護回路がついている電磁弁オプション を選べば楽ちんなのですね (笑)
オプションを選んでもダメな場合は、入力ユニットの取説のような回路を組みます。
大きめの電磁弁 や、海外の物 などは 特に注意 するようにしましょう。
オムロン さんの テクニカルガイド は、Q&A方式で色々分かりやすく解説してくれてありがたいですよ。
まとめ
電磁弁を動かす為には
消費電力
使用頻度
逆起電流 対策は必要か?
を確認するクセを付けると安心ですね。
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