シンプルCPU通信の使い方

シーケンサ

装置間でやり取りしたいけど、

実配線で行くには、ちと多い
本格的な通信を入れるのは、ちと重い

そんな状況ありますよね。

出来るだけ簡単にシンプルに通信したい!

・・・シンプル!?

そういや、取説にそんな文言があったような・・・

どうも!ずぶです。今回は、シンプルCPU通信の使い方

※FX5Uを念頭に展開して行きます。

シンプルCPU通信って何よ?

Ethernet の口がある CPU 同士を、パラメータ設定だけで通信する機能 でしたね。

構成イメージはこう

交信相手の登録は対象機器により違いますが 8台~32台

FX5U 同士ですと、16台まで登録が可能です。

とにかく Ethernetで繋ぎさえすれば、データのやりとりが出来てしまう のです。

設定

設定はとっても簡単!

シンプルCPU通信を 『使用する』 を選ぶだけ。

※ 選択が出てこない場合は、Worksのバージョンを最新にしてみて下さい。

でもって、『使用する』のすぐ下の<詳細設定>を開くと、こんな画面が開かれます。

GOT『デバイス転送』機能を使った事がある人なら、すぐにピンと来るのではないでしょうか?

そう

設定No毎に 、

『 君の中身を僕のここに 読み出すよ~ 』ってのと、
『 僕の中身を君のここに 書き込むよ~ 』ってのを選んでいくだけですね。

機器により1設定で転送できるデバイス点数は異なりますが 全設定の合計では 8192ワード の転送が可能です。

大抵のデータはやり取りできそうですね。

勿論、他メーカーのPLCだってこの通り

設定は IPアドレス などの空白を埋めて行くだけなので、さほどヤヤコシイところはありませんが、相手によって決まった ポート番号 を入れて行かなくてはなりません。

なので、取説に書いてあるポート番号を入力

どうやら殆どの場合 UDPプロトコル で通信しているようです。

ちなみに UDPプロトコル 通信ってのは、速さ重視の投げっ放しって事でしたね。

そんな細かい事、知ったこっちゃありません。

IPアドレス入れたら通る のです(笑)

UDPとは「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

通信イメージ

で、今回の設定したイメージはこんな感じ。

Yデバイス を叩いたら、相手の Xデバイス ON する。

数値はレジスタに放り込む。

そんなノリです。

情報のかき集めだけを考えるなら、

こういうイメージで設定すると良いかもしれませんね。

決まった場所のデータを収集側が整頓する、というような統一化も可能です。

転送デバイスは何でも良いのですが 転送幅が16点 ですから リンクデバイス系 を使用した方がスッキリします。

今回のビット設定は、外部とのやり取りという認識で XY に設定してみました。

シンプル通信をしてみよう

先ほどの設定で動きを見てみましょう。

とは言え、設定で全てが終わっているので、いつも通りの I/O として使うだけですけど(笑)

先の設定だと、相手局 Y400~Y417 自局 X400~X417 に転送されてきます。

例えば、

相手局 Y402 がONすると、自局X402 がONするって寸法ですね。

<相手局>

<自局>

こんな感じで、設定だけで相手局の情報が入ってきます。

勿論、レジスタの扱いも同様ですから、データを集めるのには十分です。

アラーム監視等を入れたい場合は、特殊レジスタ を使用します。

例えば、

SD10411.10 のビットを監視すると、設定No.32 の通信が落ちてるかどうか分かるのですね。

eManual にラベルでのサンプルも記載されていますので、そちらも参照してみて下さい。

使ってみよう

シンプルCPU通信 の動きは分かりましたが、装置間やりとりを考えてみましょう。

想定しているのは、補機が単独でも動作 するような構成。

こんな感じ

遠隔操作したい場合は Ethernet一本繋ぐだけ というお手軽さ!

もちろんハブを介すると、複数台の補機との連携も可能です。

もうCC-LINK等のフィールドネットワークも要らないんじゃね?って感じですが、

ここで効いてくるのが『 通信 』

簡単に通信をするのが目的なので、同期は二の次なのです。

どういう事かと言うと、

試しに相手局の信号をパルス化してみます。

でもって、自局でX400をカウントしてみます。

完全にスリップしているのか、カウンターは回っていません。

ですが、決して意味不明なデータを送っている訳ではありません。

ラインに上げた瞬間のデータは、相手も自分も同じデータ。

ただ、通信ですから 内部サイクル と 通信サイクルは別 ってだけなのですね。

なので、パルス信号ではやり取りをしないか、通信を受け取ったら相手側に返すといった対策が必要となります。

例えば、

信号を保持させて、

信号が返ってきたら、寝かす。

とにかく、通信の ACK、NCK のイメージが必要という事なのです。

コードに無理やり感があるのは、気にしない方向で(笑)

まとめ

設定も簡単ですし、IOT だけでなく通常使用にも使える印象です。

とにかく iQ-F は強力で、Qシリーズと比べても遜色ありませんから、これらを並べて装置群を形成していくってのも面白いかもしれませんね。

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