電磁弁を使ったシリンダー回路の作り方

FA

みんな大好き電磁弁
面倒な設定も不要で、出力を叩いた瞬間、必ず動作してくれる
ありがたいですよね

どうも!ずぶ です。今回は電磁弁

 

本稿は、シーケンサを使った制御寄りの話となります。

電磁弁自体でしたら、こちらをご覧下さい。
電磁弁の種類と使い方(配線編)
電磁弁の種類と使い方(仕組み編)
電磁弁の種類と使い方(ポート編)

 

電磁弁の動き

色んな種類がありますが、装置屋がお世話になるのは
主に3ポート、5ポート辺りでしょうか

シンボルだとこんなのですね

こちらの電磁弁は、単体で使用する事はないので、シリンダーをひっつけて説明します
それでは、左側の3ポート電磁弁とシリンダーにエアー配管を繋いでみましょう

Pポートには一次圧
Aポートには二次圧
Rポートは排気です

種類によって動作も違いますし、メーカーによっては、番号だったりするので、カタログを良く見て下さいね

エアー配管をつないでみました。
それでは、電磁弁Y101をONにしてみます

圧力が高い場所は赤、低い場所は緑で表示しています

経路が変わって、エアー圧力でシリンダーロッドが前に出ましたね
反対側は電磁弁のRポートから内部のエアーが排出されています

シリンダーを引っ込めるには、Y101をOFF Y100をONにします

先ほど使用した電磁弁を説明すると

ざっくり言えば、こんな感じです
ポートが動かずに、出力で内部の箱が押されて、経路がつながるイメージですね

余談ですが、このシンボルを考えた人かしこいですよね、もの凄く分かりやすい

3ポートと5ポートの違い

上のシリンダーに5ポートをつないでも同様の動きができますね

これは、2位置5ポートと呼ばれているものです

先ほどの、3ポート+シリンダーを参考に、動きを想像してみて下さい

シリンダーを出すためには、Y101をON Y100をOFFにします
シリンダーを引っ込めるには、Y101をOFF Y100をONにします

あれ?さっきと同じですよね?

そうですね、シーケンサから見た使い方は、ほぼ一緒
違いがあるとすれば、バネマークが無いくらいでしょうか?

シリンダー使用時のプログラム

シリンダーの動作を意識して、プログラムを書いてみましょう

シリンダーを出す指令の時以外は、引っ込めてます
エラーだった場合、品物をはじく様なプッシャー機構だと、このような回路で良いかもしれません

 

次に、シリンダーで物を掴む、オートハンドを想像してみましょう

ハンドする以上、上空に持ち上げる訳ですが、先ほどのプログラムだと問題が生じます

電源が切れた場合、開/閉どちらかに動いてしまう可能性がありますね

なので、上のプログラムを少し書き換えます

「掴む」「離す」の指令をキチンと分けてみました

指令部分は保持だと、面倒臭い回路になりがちなので、〔SET/RST〕で書いておくと、スムーズです

あとは〔SET/RST〕の箇所にポンポン放り込んでいくだけです

ですが、思い出して下さい。3ポートにはバネマークが記載してありましたよね?

という事は、ハンドで3ポートを使用されると、どうプログラムしようとも、再起動時などにハンドが動いてしまう可能性が残ってしまうのですね

なので、一度決めた場所で指令がくるまで動かしたくない場合、5ポート電磁弁を使うようにします

今回記載はないですが、5ポートの場合、一度決めたら出力を切って省電力も狙えるのですが

最近では余りそういう回路を見かけなくなりました
ラダー回路に一手間掛かるのと、装置が故障した時、現状動作を確認し辛い為です

他にも、5ポートで箱が3つあるクローズドセンターやオープンなど、電磁弁は多種多様にラインナップされていて、用途や安全設計などに大きく関わってきます

シリンダーのエラー回路は、このようにすると楽ちんです

  • 動作指令は〔SET/RST〕で書いておくと、スムーズ
  • 3ポート、5ポートどちらでもプログラムは兼用
  • 指令がくるまで動かしたくない場合、5ポート電磁弁を使う
  • 電源再起動した時の動きを想定しておく

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