電磁弁の主体は、もちろん『弁』
制御する上では、電磁弁の動作さえ覚えておけば何とかなりますが
調整やメンテを行うとなれば、もう少し先を知っておくと安心ですね。
メカ屋さん配管屋さん程の知識は要らなくても、押えておかなくてはならないポイントはあります。
電気屋寄りの視点から、電磁弁を一緒に見てみましょう。
どうも!ずぶ です。今回は 電磁弁の種類と使い方 ( 仕組み編 )
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電磁弁の仕組み
まずは見て下さい。
『 弁 』の開閉を ソレノイド で行えば、それが 電磁弁 ですね。
上の回路を JIS記号 で表記すると、こうなります。
ソレノイドの力で中の箱が動かされて、経路が切り替わる のですね。
ですが、見慣れた シンボル からすると何か抜けている感じです。
それは一先ず置いておいて、
シンボル を帳尻を合わせて動かすとすれば、
まぁ、こんな感じです。
シングル と ダブル
まずは、にょ~ん と伸びた ソレノイド と 主弁 の動きだけを抜き出してみましょう。
※実際は にょ~ん なりません(笑)
上の図と同じで、ソレノイドが励磁して箱を押して います。
では、ソレノイド の励磁を解きます。
ソレノイド には通常、バネが付いているので、元の位置に戻りますが、箱は置いてけぼりです。
先程のシンボルに、何が抜けていたか分かりましたね。
箱も何らかの力で、元に戻してやらなければなりません。
バネ を引っ付けて戻しましょうか?
反対側からソレノイド で押しましょうか?
その特徴により、
上図の バネの方 は、
ソレノイドが1つ なので、シングル = 単動 と呼ばれます。
下図の ソレノイドの方 は、
ソレノイドが2つ なので、ダブル = 復動 と呼ばれます。
各々の特徴ですが、
シングル は、
電気信号が継続中、主弁が開 となり
途切れると、主弁は自動復帰 します。
扱いが簡単 ですね。
ダブル は、
電気的開閉指令を受けて、主弁の 開/閉 動作が入れ替わります。
停電動作に強そう ですね。
シンボル上、箱 なんて呼んじゃっていますが、コレこそが 主弁 そのものです。
実際は、箱ではなく、スプール を行き来させて経路の切り替えを行っているのです。
(スプール方式で話を進めます)
更に構造的に知りたい方は、
日本アスコ株式会社 さんが、図入りで分かり易く説明してくれています。
直動式 と パイロット式
ソレノイドの動きに関しては違いはありませんが、スプール の動かし方に関しては
直動式 と パイロット式 という2つの方法に分かれます。
直動式 というのは
ソレノイドの力で、主弁を開閉 する方式
パイロット式というのは
ソレノイドの力で、補助弁(パイロット弁)を開閉 する方式
補助弁を通った流体により主弁を開閉させます。
と、いうことは、
今までの説明は、直動式 の図や説明だったのですね。
それでは、パイロット式 を見て行きましょう。
<経路閉>
<経路開>
先程の回路と違って、小径が一本引かれていますね。
経路内の流体圧力を使って、主弁を開閉 しています。
(あくまでイメージです、図の回路だと開閉できませんし複雑な回路になります )
JIS記号 で表すとこうなります。
ソレノイドのシンボルの先に パイロットのシンボルの△ を入れるだけ。
これで、パイロット式シングル電磁弁 である事が分かります。
なぜパイロット式があるんだろう?
そもそも論ですが、なぜパイロット式があるんでしょうね?
親しみのあるリレー回路に置き換えて考えてみましょう。
微小出力で大きな主回路を開閉する為には、このような回路になります。
パイロットリレー を経由させて、大きな物を駆動させているのですね。
ここで言う パイロット とは、案内する という意味で使われています。
ちなみに、この回路だと、
赤囲み部分がパイロット
24V で 200V を案内しています。
これが電磁弁の場合は、200V の代わりに 一次側の流体を案内( パイロット )して主弁を開閉 させているのでした。
電磁弁でパイロットと出た場合、
主弁の開閉には、ソレノイドではない別の力を借りる という意味です。
あれをソレノイドにやらすのは、結構きつい。
それでもやらそうとなると、大きくなっちゃいます。
そこで、パイロットの出番です。
一般的な特徴を書くと
直動:
電気のチカラだけで、弁を開閉できる。
開閉口径が小さくなる
パイロット:
電気以外のチカラが必要。
省電力
特に、パイロットの特徴の1行目 だけは覚えておいて下さい。
当たり前の事ですが、いつか救われる時が来るかもしれません。
内部パイロットと外部パイロット
別の力を借りるだけなので、主弁の開閉ができれば動力が1次側である必要はありません。
外部エアで代用する事も可能です。
JIS記号で表すと
外部から来てまっせ!の 点々を引っ張る だけ。
共通ポートがあるなら、そこに突っ込んでおけば良いですね。
どちらも パイロット式 なのですが、
この場合は、外部の力をパイロットしているので、外部パイロット式
先程の経路内の流体をパイロットしていたものは、内部パイロット式
と区別されます。
まとめ
電磁弁は、ソレノイド部 と 主弁部 に分かれているよ
弁の開閉が、ソレノイド1つで済む物を シングル これは 主弁が自動復帰するよ
弁の開閉が、ソレノイド2つ必要な物を ダブル これは 指令が来るまでは主弁を保持 するよ
スプールの動かし方 には、直動式 と パイロット式 があるよ
パイロット式には、内部パイロット式 と 外部パイロット式 があるよ
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