チャタリングの起きない、タクト搬送の作り方

シーケンサ

チャタリングの起きない、タクト搬送の作り方

センサー依存の装置って、誤動作する事ないですか?
途中でロストしたり、ゴミで動きだしたり。

そんな場合は、ワークをデータに置き換えたら、全部解決です。
タクト搬送を例に、ワークのデータ化を一緒に考えてみましょう。

 

どうも!ずぶ です。今回は チャタリングの起きない、タクト搬送の作り方

 

自動機に於ける、データ管理とは何だろう?

装置の動きに合わせて、データ化したワーク を処理して行く方法です。

そこには、センサーがONしている間処理継続、というようなプログラムは存在しません。

データが来ているから処理するのです。

 

構造次第で、受け渡しトリガーがセンサーの場合もありますが、処理するかしないかは、データの有り無し です。

 

タクト搬送

想像しやすいよう、タクト搬送の装置構成図を書きます。

左上の数字は動作順です。


上下左右のシリンダーがワークをタクト搬送するイメージです

 

まずは下準備

各ステージのデータマップを作製しましょう

 

レシピ欄に数値が入っていれば、そのステージの処理を行うようにしていきます。

いくつかフラグを用意しておくと、小技が効くようになるので便利ですよ

 

こちらもオススメ レシピとデータマップの作り方

 

プログラム

搬送の動作プログラムは、まぁ不要ですよね。

先ずは、ワーク投入箇所のプログラムを作製しましょう。

スタートスイッチを押すと「ステージ1」にデータが書き込まれます
例えば、レシピ3 でスタートさせた場合、ステージ1 の  D400 に を入れます

ここで ステージ1 に書き込んだデータを、払い出しが完了するまで、ワークと一緒にシフト させて行く訳です。

 

次に、搬送時のデータシフトのプログラムです。

動作順1→2→3→ とワークが動いて行きますよね。
まで来たときにワークが ステージ1 から ステージ2 に移動完了します。

なので、動作順4に対応している、コイル M1010 の下降完了で、データも受け渡す訳です。

今回の構成図だと、一斉にワークが動くので、完了コイルで丸ごとデータ転送します

 

 

レジスタのままでは取り回しが悪いので、ビットで受けておくと見やすいですね

 

対象ステージのデータに、 レシピ番号に数字が入っていれば、ワークが存在すると認識させるわけです

 

最後は、ステージ3のデータを、ワークを取った段階で消去してあげます
〔 FMOV k0 D420 k10 〕でデータを消去すれば終了です。

 

 

骨格はこれで良しです。

ワークを見るセンサーは、オペレーターがセットボタンを押す、最初だけとなりました。
もし各部にセンサーを付けているなら、それを全て エラー検知 に変えてしまいます。
たとえば、

「 動作3でデータは来たけど、センサー入力が無い 」

等をエラーで引っかけます。

 

後は、先ほどビット化した、在荷記憶 と レシピデータ を使用して処理を行います。

センサーは一度キャッチするのに使用するだけなので、処理途中でチャタリングやロストを起こしても、何ら問題はありません。

こちらと合わせると便利
STEP処理の作り方

 

 

ロボット搬送も同じです

構成図はこうです。UFOキャッチャーを想像して下さい。

搬送パターンは

ステージ1→搬送機→ステージ2→搬送機→
このように流れますね
ワークがステージ移動する際、必ず搬送機に預けられます

そういう場合は、搬送機にもデータマップを割り振ります

 

先ほどと同じく、ワークの動きに合わせて、データも転送して行くだけですね。

 

まとめ

もう、お分かりですよね。
タクト搬送から入って、メカ搬送も例に出しましたが、エリア分けできさえすれば、何でも良いんです

コンベア搬送でも、このエリアに来たよ~ってのが分かれば、紹介したプログラムで対応可能です。

 

 

データレジスタで管理しているので、電源を再起動しても、データは残ったままとなります。
受け付けたデータは、下流まで送り込むか、消去しなくてはなりません。
その為のプログラムは別途に用意が必要です。