三菱シーケンサのマスターコントロール(MC)の使い方

シーケンサ

会社によっては、使用禁止指定もある マスターコントロール

会社のルールがあるのなら仕方ありませんが、
先輩方が使っていないから使わない、って理由ならちょっと勿体ない。


基本の動きから、実際のプログラムをまでを一緒に見て行って、
マスターボールの使い方を、ゲット だぜ!

どうも!ずぶ です。今回は 三菱シーケンサのマスターコントロール(MC)の使い方

マスターコントロール(MC)を書いてみよう

必要なコードは

〔 MC 〕
〔 MCR 〕

この2行だけですね。

ヘルプを見ると、こう書いています。

〔 MC 〕~〔 MCR 〕で囲まれた範囲のプログラムを
実行するか? しないか?
を決めるだけなのですね。

ヘルプを手本に、プログラムを書いたら、こんな感じ

いや、ちょっと待って

ヘルプには 母線への接点 が書いてあるけど、zubuは書き忘れてない?

↑コレの事です

と思われた方は、備考を見落としちゃいましたね。

記述通りに、読み出しモード に変更してみます。

出た出た~、母線に接点が現れましたよ。

コードを書く時は、冒頭の〔MC〕〔MCR〕だけで良い のですね。

動きを確認しよう

マスターコントロールを入り切りして、モニターランプを確認してみましょう。

マスターコントロール(MC)オンの時

マスターコントロール(MC) オフの時

回路の中身は、常時ONにぶら下がっている M100 コイルだけです。

常に M100 は立つ状態 にも関わらず、母線が切られている方はM100コイルは点灯していません よね。

ON の時は実行

OFF の時は不実行

間に何行あろうとも関係ありません。

〔 MCR 〕を検知するまで実行しない のです。

↓こんな感じ

MCがオンになったら、どんどん扉が開いていくイメージですね。

入れ子(ネスト)を使ってみよう

MCはネストが使えます。

ネスト とは、言い換えれば 深さの事

先程のイメージ図に付け加えると

こんな感じ

どんどんMCの扉が開いて、中身のコードが出てきます。

このようにMCの中にMC、さらにその中にMCというように重ねて行けるのですね。

このような 同じ機能を内包 する事を ネスト と呼ぶのでした。

ネストの深さは0~14段 まで可能です。

(MCの総個数ではありませんよ。ネストの深さが14段 なのですよ。)

MCの引数を確認しよう

マスターコントロールの記述は

〔 MC  N0 M0 〕

引数は2つしかありませんが、その意味を見て行きましょう。

第一引数の N0 の意味

N0 はコイルでは無く ネストの N です。

ここから下は ネスト0段目のコードですよ~ と宣言しているのですね。

そして、最初に現れるペアの〔 MCR N0 〕までのプログラムが 操作対象 となります

また、ネストは最大14段 と決まっていますので、

ここに入る数値は、N0~N14 までのいずれかです。

注意点として
必ず N0 から始める ようにします。
〔 MCR 〕とのペアが揃っていれば、N5 や N10 から開始する事も可能なのですが、混乱の元となります。

第二引数の M0 の意味

M0 は MC がオンになった時に ONするコイル です。

云わば、マスターコントロールの名前ですので、好きなコイル番号を割り振り ます。

読み出しモードのMCはこのように表示されますから、分かり易いコメントを入れてあげると良いですね。

M0 は他で接点としても活用できますよ。

マスターコントロールを使ってみよう

基本の動きが分かったところで、実際のプログラムを考えてみましょう。

<例えば>

手動操作のプログラム部品を作って

丸ごと囲ってみるとか

プログラムを小分けにして、見やすいラダー図にしてみよう

<例えば>

同じインターロックで纏めてみるとか

<例えば>

出力をレベルで分けてみるとか

保持回路で書くのとは、また違った見やすさが生まれてきますね

MCの一括解除

MCは一括解除できます。

MCの N1 の条件は通っていますが、N0 が断たれているので、コイルがONしていませんね

〔 MCR  〕が並んで配置されるようなコードだと、最初を断てば全て断たれるの ですね。

マスターコントロールの注意点

MCの使用については幾つかの注意点があります。

セットやフリップフロップは解除されない

< MC オン >

< MC オフ >

下のプログラムは、MCがオフにも関わらず、コイルは点灯 しています。

ラッチされたものは解放しない のですね。

MCは母線に接続されています。

実配線で考えると、コモンが切断されているのと同義です。

通常のリレーだと、コモン断でOFFしますが

ラッチングリレー の場合は、保持します。

G7K ラッチングリレー

〔 SET 〕〔 FF 〕等は、回路上でそのように振舞いなさいという命令なのですね。

〔 MCR 〕を忘れると、サヨナラ~

これは、MC オフが実行されているのですが、コード上には〔 MCR 〕が存在していません。

〔 MC 〕は〔 MCR 〕を検知するまで、実行します。

と、いう事は

書き忘れてしまうと永遠に 不実行 をしてしまう って事ですね。

気を付けたいですね~

ペアを間違えると、サヨナラ~

先程と違い、コードの先には〔 MCR 〕がありますが、ネストが N0 N1 でペアになっていません。

『 一括解除の項 』と逆にしてしまうと、永遠に解除されないのですね。

気を付けたいですね~

無茶苦茶やっても怒られない

MCはエラーを出しません。

辻褄があっていようが、無かろうが、知ったこっちゃないのです。

放任主義ですね~

冒頭に述べた、使用禁止指定がある事業所は、恐らく以前にこんな目にあってしまったのかもしれませんね。

注意点は多いとはいえ、要所で使うと視認性や効率は跳ね上がるのです。

怯んでばかりもいられません。

次では使用する際のポイントを見ていきましょう。

マスターコントロールを使用する際のポイント

不必要にネストを増やさない

言わずともお分かりですね。

迷ったら、読み出しモード

読み出しモードにすると、母線の左上に 影響下のMCコイルが常に表示 されます。

これはスクロールしていっても表示されていますので、最初のエッジを見つけて帳尻があっているかを確認 します。

↑ココ

命令検索で当たりを付ける

命令検索 を実行すると散らばったMCを検索する事が出来ます。

これで 変な子が居ないかを、ざっと確認 します。

MCR でも検索 できますから、数がずれていれば捜索開始ですね。

ルールを決める

ネスト事に解除するのではなく、必ず N0 で切るようなコードにするとか、

自分達でのルールを決めておくと良いかもしれませんね。

まとめ

シーケンサを触り始めると、比較的初期に目にする命令ですが、案外使わない方も多い命令です。

(無くても書けますしね)

ですが、同じような条件をゴテゴテ書くよりも、はるかにスッキリしたコードになるのは確かです。

用法用量を正しく守って、マスターコントロール を ゲット だぜ!